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ミニのCVT 「Part-1」 2004/06/27(Sun)

いままでミニのCVTについて解らない事が多かったのですが、紹介して頂いた文献をみていると、だんだん色んなことが解ってきました。

動力の伝わり方(トルクフロー)を大まかに記載しますと次の様になります。

ENG

トーショナルダンパー(ENGのトルク変動を穏やかにする)

----ここからCVTコンポーネント-------

クラッチ(前進・後進用各一対あり、湿式多板式で動力の断続を行う)

プライマリープーリー(セカンダリーと対で変速を行う)

セカンダリープーリー(プライマリーと対で変速を行う)

アイドルギア

デファレンシャル(差動装置)

----ここまでCVTコンポーネント-------

ドライブシャフト

今回は「Part-1」としてミニの走りに大きく関係しているクラッチについて検証してみます。
解説文や写真、イラストだけでは解らないこともあるので、模式図にしてみました。

エンジン始動後、ブレーキを踏み、セレクターレバーを「D」に入れるとトルクは遊星キャリアーを通り前進用のクラッチに行きます。
クラッチプレートに油圧により面圧が掛かると、太陽ギア(Sun gear)と一体になった出力シャフトにトルクが伝わります。
この段階ではクリープ状態だけで、言わば「半クラッチ」状態です。
アクセルペダルを踏み、エンジン回転が上がってきますと、徐々にクラッチ面圧を上げ、トルクをプーリー側へ伝え、スムースな発進が出来るようにコントロールされております。
以前あった「D-ショック」はこの油圧コントロールが上手くいっていなかったものと思われます。

また、後進は一旦停車状態からセレクターレバーを「R」に入れると後進用のクラッチプレートに油圧により面圧が掛かります。
油圧が掛かると環状ギア(Annular gear)は固定されることとなり、遊星キャリアーから伝わったトルクは遊星歯車を介し中央の太陽ギア(Sun gear)をENGとは逆に回転させることとなります。

こうして見ますと、ミニのCVTはトルコン式のA/Tとは異なり、M/T車の発進時のクラッチ操作だけを自動化していることが理解できます。

変速はどうするか?マニュアルモードはどんなふうになっているか?とか肝心のCVT部分は次回とします。


まありんさんに紹介して頂いた文献はこちらです。