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MINIにロールはいらない?? 2004/01/29(Thu)

MINIのパンフレットには「まるでゴーカートのよう」とありますが、このコピーはどうかな?と思います。
遊園地にあるのが「ゴーカート」で、サーキットを走るのは「レーシングカート」言ってますので、きびきび走るMINIをPRしたいのなら「レーシングカート」、せめて「カート」と言うべきではないだろうか?

さて、ロールを抑えたということで「カートライク」とも言われますが、MINIにロールはいらないのでしょうか?
またまたスキーの話ですが、スキーの曲がる運動に「荷重・角付け・回旋」という動作があります。
スキー板を肩幅ほどに開き、股関節を外側に曲げて外板に荷重、それに耐えうるよう十分角付けして、板のトップを回旋 することにより綺麗にターンすることができます。
一方自動車はハンドルで舵取りすることで回頭し、ロールが起こり重心移動し、グリップを高めコーナリングフォースを得て曲がって行くこととなります。

荷重=ローリングすることでの重心移動、
角付け=コーナリングフォースを受け止めるグリップ面の確保、
回旋=ハンドリング
と位置付けすると 簡単に理解できると思います。

つくづく思うのですが、スキーと自動車には共通の動作が多々あります。
(スキーをやる人にモータースポーツをやる人が多いのも事実ですし、その逆で自動 車ジャーナリストで競技スキーをやっている人もおります)

空力以外の、サスペンションやタイヤの性能で決まるグリップをメカニカルグリップと言いますが、ロールが過少な車はこのメカニカルグリップが小さく、必要なコーナリングフォースが得られなくなります。
フランス車に多く見られる「細いタイヤにもかかわらず粘っこいコーナリング」はロールを利用したメカニカルグリップによるものです。

MINIはサスペンションジオメトリーからして若干ロールしたときに最大接地面積が得られる ように設計されているようで、適度なロールは必要ということになります。
ロールは何故必要か?という絵は下記サイトです。

ローダウンするとコーナリングがよくなると思われがちですが、単なるローダウンは 過度なロールを発生させるだけです。(この事に付いては前回記載済み)
その車のサスペンションジオメトリーを理解することからチューニングが始まり、その結果としてSタイヤや高いバネレート、強化スタビ等、必要とする状況は極々限られた場面だけになると思います。