サドルのガタ防止をしようと思いベッドからサドルをはずしたら、またまた別の問題箇所を発見。
何とベッドとの接触面は黄色い楕円で囲った範囲だけなのです。
一応摺り合わせはされてあるようなのですが、黄色の楕円内以外はフライス痕がきっちりと残っています。
油溜りには良いのかも知れませんが、ベッドに対しては良い環境とは言えません。
そこで摺り合わせをすることにしました。
まず、ベッドに両面テープを用い、サンドペーパーを貼り付けます。
もう一方には厚みを同じにする意図と動きの円滑化を図るために、ペーパータオルを挟み込みます。
その後はサドルに加重しながら根気良く往復させます。
山形部をこんな感じで研磨します。
結果、ここまで摺り合せることができました。
別角度からみるとこんな感じです。
ボルトによる方式からスタッドボルト＋ロックナット式に変更しました。
これにより、一度調整してしまえば長期間安定した動きが期待できそうです。
スタッドボルトのロックにはネジロック剤のブルーを使用しました。
（後日取外す可能性が若干ありますので・・）
ベッドの裏側はこんな感じで、カッタの痕がそのままに残っています。
こんな要領で裏側も摺り合わせをしました。
この時、サンドペーパーはベッド裏面に平行に当てるように注意します。
このように鏡面になるまで根気強く摺り合わせします。
摺り合わせ終了したら正規部品にてサドルをセットします。
アジャスターボルトを細かに調整して、プレートがベット面と平行になるようにしながらロックナットを締め込みます。
摺動面が鏡面になりますと、今度は油膜切れによる固着（速度が速い場合は焼付きになる）が懸念されます。
そこで油溜りを付けることにしました。
油溜りの一方に、給油用の穴（2φ）を明けます。
山の頂点付近にあった鋳物の巣はエポキシ剤で埋めました。
給油側は下図のようになっています。
給油ニップル(nipple)差込用の穴は6φです。
給油ニップルの構成です。
右上のニップルはＮＧ品です。（内径のみ参考にして下さい）
給油ニップルの内径は4φ、鋼球径は3.18φ、スプリング長さ10mmです。
組み付け姿です。
ヤスリでテーパー加工し、圧入しました。
ついでに、リードスクリュー端部ブラケットにも取り付けました。
自動送りの時、ブラケットを押付ける力が掛かっており、接触部が熱変色していました。
サドルロック機能を取り付けました。
ベッドを上下から挟み込むタイプです。
取付け姿はこんな感じです。
六角レンチで締め込む訳ですが、ゆとりが出来たらハンドルを作りたいと思っています。
続いて、往復台も改造しました。
摺り合わせを行い、
カミソリ部にオイル供給出来るように・・
中央はリードスクリュー部用です。
オイルポートを取り付けました。
続いてダストスィーパーを造ります。
真鍮材から削り出し・・
フェルト材をセットします。
厚みスペース2.5mmに対して4mmのフェルトを使用し、端部も2mm程はみ出すようにカットします。
取り付け状態はこんな感じです。
以上の改造により小型卓上精密旋盤の完成です。
１．摺動面のガタを完全に無くした状態まで締め込んでも滑らかに動くようになった。
（これは快感です）
２．切子を咬むことによるベッドの磨耗が無くなった。（と思う！）
勿論、フェルトの清掃・定期交換をやってのことです。
３．所定の位置でサドルを固定することが容易になった。