2006年11月29日

モデルチェンジ

この秋、MINIがモデルチェンジします。
オリジナルminiが40年もの間殆どモデルチェンジしなかったのに対して、現行のMINIは僅か5年でのフルモデルの変更となります。

次期型のMINIを見ますと、一般の人には殆ど見分けが付かない程のコンセプトキープです。
造り手側にとってはフルモデルチェンジは莫大な費用が掛かるのにも拘らず、何故コンセプトキープなのでしょうか?
今回のようなコンセプトキープなら、もう暫く現行モデルでも良かったのではないでしょうか??
フルモデルチェンジしながら、何故コンセプトキープなのかを考えてみました。

アメ車的な味付けが多い日本車からの乗り換え組みや、想いの外アメリカでの販売台数の伸びから、それらの市場の声を取り込み、更なる販売台数の増加を期待しての目論見があったのではないでしょうか?
その証拠に、緩衝ストロークの増加があります。(雑誌の情報によると8mmも伸びたとか・・)
ばね定数の高いランフラットを標準採用し、ストロークの短い足回りでは突き上げが酷く、乗り心地の改善を図る必要がありました。

また、内装に目を向けますと、センターコンソールの幅が狭くなっているように感じます。
現行MINIには二本の柱風に設置されてあり、剛性感を高めておりました。コーナーリング時には「左足をサポートする」という副次的な働きもしておりました。
それらの身を削り、確保したのは居住性なののではないでしょうか?
体格の良いアメリカ人にとっては現行MINIでも、きっと窮屈だったと思われます。

Golf-1、初代プリメーラ、現行MINI(2002モデル)等、初期型を乗ってきたものにとって次期型は、「コンパクト車はこうあるべきだ!」という開発者の声がスポイルされていると感じてしまいます。
メーカーはモデルチェンジの度に「お客様の要望を取り入れ、改善・進化させました!」というフレーズできます。
拡大を続けるスカイラインも造り手側の意見で一度だけダウンサイズを試みましたが、それが売れない原因とされ、次期モデルからはまたもや拡大路線一途という現実です。
「より良く!」を追求すると一般的には大きくなってしまうようです。
コンパクトな車が好きな者にとっては、なんとも嘆かわしい現実です

理科の実験・Part2-2

前回に引き続き、重い車輪がどれだけのトルクを消費しているか考えてみました。

kasoku.JPG
一輪が25Kgのホイール&タイヤ履いたMINIが0-100Km/hまでに7秒を要したとします。
タイヤ外径を600mmとしたとき100Km/hに達した時点で1秒当りの回転数は14.8で、887rpmとなります。
0から100Km/hまで一定の角加速度で回転したとしますと、角加速度αは

α = ω - ω0 = 13.26rad/s2
となります。

一方、一本当り25KgあるMINIのランフラットタイヤ(with wheel)の慣性モーメント(I)は約0.5Kgm2になると思われます。

この時に要されるトルク(T)は
T = I×α = 26.52 Nmとなります。

最高で220NmのCooperSですら12%を占め、Cooperに於いては18%にもなってしまいます。
上記の車輪(tire&Wheel)を13Kg程度に軽量化したとしますと、Cooperに於いては10%のトルクアップを図ったのと同じ効果が得られることになります。

大雑把な計算ではありますが、車輪の軽量化は効果絶大です。

理科の実験・Part2

自由回転できるようにした2種類車輪を用意して手で廻してみます。

jairo.JPG

双方同じ位の力量を加えると、軽い自転車用の車輪は勢いよく廻りますが、重い自動車用車輪は少し回転する程度です。

逆に同じスピードで回転している車輪を停止させようとする時、自転車用の車輪は手で抑えるだけで簡単に止めることができますが、自動車用の車輪は止めるのに大きな力を要します。
重い車輪は回そうとすときも、停止させるときにも大きなエネルギーを必要とします。
ここまで説明すればもうお分かりでしょうが、加速・減速を繰り返すような走りをする場合軽いタイヤ・ホイールは必須アイテムとなります。

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